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福岡の西日本鉄道が交通ICカード「nimoca (ニモカ)」のサービスを開始してから1カ月あまり。首都圏の「Suica」「PASMO」や関西の「ICOCA」「PiTaPa」に比べれば、その規模こそ小さいものの、nimocaは当初から電子マネーやポイント機能を充実させるなど、“街ぐるみ”の交通ICカードとしては注目の取り組みであった。


 nimocaはサービス開始後1カ月で、どのような動きを見せたのか。今日の時事日想は特別編として、西日本鉄道ICカード事業部課長の飯田浩之氏と、同ICカード事業部係長の杉本将隆氏に話を聞いていく。

●nimocaでは、記名式が主流になっている

 nimocaは福岡の中心部・天神エリアを中心に、西日本鉄道の電車・バス沿線に広がる交通ICカードだ。首都圏のSuicaと同じ、日本鉄道サイバネティクス協議会の共通規格を用いたFeliCaカードであり、カード種別としては無記名式の「nimoca」、記名式の「スターnimoca」、クレジットカード一体型の「クレジットnimoca」の3種類を発行している。

 サービス開始から1カ月あまりで、nimoca全体の発行数は7万4000枚(6月17日時点)。さらに内訳をみると、購入時に利用者情報を登録する「スターnimoca」の発行数がずば抜けて多く、約5万枚を占める。個人情報を登録しない無記名式「nimoca」の発行数は約1万8000枚、クレジットカード一体型の「クレジットnimoca」は約4500枚だ。

 「最近の純増ペースを見ても、圧倒的に伸びているのは(記名式の)スターnimocaです。クレジットnimocaの発行も伸びていて、無記名式よりも記名式の方が多いというのが、nimocaの大きな特長になっています」(飯田氏)

 なぜ、nimocaは「記名式」が主流なのか。その鍵となったのが、nimoca独自のポイントプログラムだ。nimocaのポイントは、鉄道・バス利用時の乗車ポイントと、買い物をした時に貯まるポイントの2種類がある。前者はすべてのnimocaカードがポイント加算対象になるのだが、後者が適用されるのは「スターnimoca」と「クレジットnimoca」だけなのだ。しかも、nimocaの物販ポイントは、電子マネー利用時だけでなく、現金やクレジットカード購入時も、スターnimoca・クレジットnimocaを認証させることでポイント加算の対象になる。こうした“ポイントの魅力”が、記名式nimocaの普及を後押ししているのである。

 「(nimoca)会員の利用傾向を見ましても、利用頻度としては電車・バスの交通利用が多いのですが、利用金額だと電子マネーや現金ポイントカードとしての利用が(交通利用を)上回っている。サービス開始から1カ月ですが、福岡の地域ポイントとしてnimocaは確実に認知・普及しはじめています」(飯田氏)

●nimocaの女性比率は、全体の8割!!

 さらにnimocaには、驚くべき数字がある。なんと、nimocaの女性比率は全体の8割強だというのだ。

 「これは(ポイント機能付きの)スターnimocaやクレジットnimocaが多いこととも連動していると思うのですが、現在のnimocaユーザーの8割強が女性で、スターnimoca利用者が多い。

 一方、(男女合わせた)年齢分布で見ますと、20代~30代のユーザーが全体の65%を占めており、ここでもスターnimocaの比率が高いという傾向がでています」(飯田氏)

 20~30代の利用者が多く、しかも女性比率はずば抜けて高い。さらに記名式のスターnimocaとクレジットnimocaでは、ポイントプログラムが用意されているだけでなく、詳細な個人情報が登録されているのでマーケティング活用が容易であるというポテンシャルもある。

 「女性比率が高いことで電子マネー利用も活発で、特にコンビニエンスストアとスーパーマーケットの利用は多いですね。電子マネーの平均利用額も約900円と、(交通系の)他の電子マネーに比べても高い傾向があります」(杉本氏)

 交通系をはじめ、FeliCaを用いた決済サービスは数多いが、そこで重要になるのが「女性ユーザーの獲得と利用促進」だった。西鉄のnimocaでは、サービス開始から1カ月で女性ユーザーをしっかりと獲得しているのだ。

 「鉄道・バス利用はもちろん、お買い物をしてnimocaポイントを貯める、そして貯めたポイントをSFにチャージして再び使うというスキームがうまく回り出しています。例えば、今のところ(記名式)nimocaを現金ポイントカードとして使っている人も、ポイントが貯まればそれをSFにして交通か電子マネーで使う。nimocaポイントが普及することで、電子マネー利用はさらに増えていくと考えています」(飯田氏)

 「nimocaでは、『電子マネーを普及させるためにポイントがある』という戦略をとっていました。これがうまく奏功していまして、電子マネー文化を根付かせて、その先の新ビジネスの素地にもなってきています」(杉本氏)

 今後の展望としては、9月までに福岡を中心にローソン50店舗、さらに秋には航空会社のマイレージとポイントプログラムとの連携などが予定されているという。nimocaポイントの急速な普及と、“女性が多い”というユーザー属性の特徴を鑑みれば、今後の加盟店や提携の拡大はさらに進みそうだ。

●西鉄全体から、九州全体へ

 電子マネー&ポイントで急速に拡大するnimoca。しかし、足下に目を向けると、交通系ICとしての路線拡大はまだ途上にある。特に西日本鉄道が抱える大規模な路線バス網への展開が、今後の重要な取り組みになっている。

 「当面の計画としては、今年9月までに福岡市近郊の11営業所、約570台のバスにnimocaを展開します。nimoca対象路線が拡大することで、カードの発行枚数増や電子マネーの利用促進も、さらに活性化されるでしょう。

 その後は2008年度中に福岡都市圏の路線バスすべてとなる約1700台にnimocaを展開、2009年度中には北九州や筑豊、筑後地区に拡げていきます」(飯田氏)

 これらの対象路線拡大により、nimocaのカバーエリアは拡がり、電子マネー・ポイントを用いた沿線ビジネスはさらに活性化する。また2010年にはJR東日本、JR九州、福岡市交通局との相互利用化が始まり、福岡全域と首都圏の交通ICネットワークがシームレス化。ここでは電子マネー連携も行われる見込みであり、さらなるビジネス拡大が期待できる。

 「また、我々(西日本鉄道)として九州全域の公共交通事業者とも連携していきたい。特に九州各地のバス事業者とは、これまでもビジネス連携や共通利用券の発行などをしてきましたので、そこでnimocaのスキームをご利用いただければと考えています」(飯田氏)

●nimocaカードに発行会社名が記されていない理由

 それに向けた布石は、すでにnimocaカードで打ってあるという。

 「実はnimocaカードには、『西日本鉄道』という発行会社名が記載されていないのですよ。これはnimocaをASP的に、(九州の)他のバス会社や電鉄会社にお使いいただければという考えからです。西鉄のnimocaではなく、九州の公共交通事業者みんなのnimocaになってもらいたい」(杉本氏)

 さらに西日本鉄道では国土交通省が推進するアジア共通の国際非接触ICカードの実験にも年内に参加する方針だ。福岡と地理的・経済的に関わりの深い韓国と、1枚の交通ICカードで電車・バスが利用できる仕組みを作るという。

 「国際非接触ICカードの詳細はまだ調整中ですが、イメージとしては、1枚のカード内に2つの交通ICカードの機能が内包されるものになります。ですから、それぞれの地域でチャージした利用分を、それぞれの地域で使うという形になる。(国をまたいだ)事業者間の相互精算は行われない見込みです」(飯田氏)

 国際共通ICカードは現在準備が進められているもので、詳細なサービス内容はまだ決定していない。しかし最近は九州だけでなく、日本全国で中国・韓国からの観光客が増えている。交通ICカードの共通利用化は注目の取り組みといえるだろう。

 西日本鉄道のnimocaは、交通ICカードとしては最後発であるが、そのサービス内容やビジネスモデルは革新的であり、注目すべきポイントが多い。そして今回、サービス開始後1カ月のデータを見ると、その取り組みの多くが「女性ユーザーの多さ」や「電子マネー・ポイントの急速な普及」という形で成功につながっている。

 今後はさらに、nimocaがどのように地域マーケティングに活用されるかも注目になるだろう。レールサイドビジネスのケーススタディとして、nimocaの今後を期待をもって見守りたい。

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